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「和花がヤキモチ妬いてくれるのは嬉しいよ」
亨さんはそう言い、私に優しく微笑んでくれた。
亨さんが私を包み込んでくれる。
こんな風に、誰かを好きになったのは初めてかもしれない。
レストランを出ると、私の左手を取る亨さん。
車までの短い道のりが残念に思う。
「さ、これから観光でもする?」
車に乗り込み、亨さんはそう言ったけど、私は亨さんの唇に目がいってしまった。
その唇が欲しい。
私の名前を呼ぶ、その唇が。
私にキスを落としてくれる、その唇が欲しい。
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