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肩を抱いて取った写真は一枚もない。
ううん。一緒に写真を撮った事なんかない。
写真に一緒に映りたい。
でも、それはこの関係を傷つけてしまう。
「和花、和花はどうしたいの?」
いい加減答えない私に、亨さんは不思議そうに言った。
「・・・一緒にいたい」
なんとか絞り出した言葉。
「ははは、そうか。そうだよな。じゃ、少し早いけどホテルに行こうか」
亨さんは私の返事も聞かずに車を走らせた。
海岸沿いの道を南に向かって進めば、大きなリゾートホテルが目前にそびえ建っている。
「ココね。今日はココに泊まるからね」
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