事故

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キラキラと光る水面、そして水平線が見えてきた。 エレベーターは『チーン』と昔ながらの音をたて、目的の階に着いたことを知らせてくれた。 廊下を進み、部屋を探す。 どの部屋も同じようなドア。 部屋番号だけが頼り。 「1210」 「1211」 ・・・ 「1216」 「1217。ココだ」 知らずに声に出していたみたい。 自分の声にハッとしながら周りを伺えば、誰もいない。 良かった。 主婦になって気づいたことは、知らずの内に独り言を言っている。 そんな自分が少しイヤになっていた。
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