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鍵穴にカギを差し込み『カッチ』と音がするまで回す。
ドアノブに手を掛け、力を込めて押せばドアは少し音をたてて開いた。
目に飛び込んできたのは、蒼い海。
廊下を抜けてリビングを通り越し、ベランダに出れば、海が広がっている。
誰もいない砂浜。
誰もいない海。
「どう?いい部屋でしょ」
振り向けば亨さんがシャンパンのボトルを手に持ち、リビングに立っていた。
「うん、すごく眺めのいい部屋だね」
ベランダから部屋に戻り、窓を閉めた。
「ココ、この間の撮影で使ったんだ」
亨さんはシャンパンの栓を音を殺すように抜いた。
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