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泣く事は無かった、泣くような関係でもなかった。
私達はきっと、とっくの昔に終わってたから。
既読のまま放置するLINE、毎日していた電話も気付けばどんどん減っていた。
仕事が忙しいから、そう言って。避けて、逃げて、引き伸ばして、ようやく張り詰めていた糸が切れただけ。
それだけの、話。
家までどうやって帰り着いたかは覚えてない、だけど歩き慣れた道で迷う事は無かったと思う。
ただ、癖で触れた左の耳朶には。ぽっかりとピアスホールだけが空いていた。
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