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「あのさ」
途切れた彼女の言葉の続きを遮るみたいに、アイスコーヒーの氷が小さく鳴いた。
「……最近連絡も取れなくてごめん」
「仕事、忙しかったんでしょ?大丈夫」
そう、大丈夫。
飽きられてたのは分かってる。
でも、私の口から出る言葉は。自分の意思とは違って、少し冷たかった。
嫌だな、本当。
分かってたのに、だから飽きられちゃうのに。
「無理、させたよな」
「ううん、そういう人だって分かってたし」
言葉だけは交わされるのに、心の上辺りを掠めもしないで通り過ぎていく。
滑稽な話。すっぱりと別れを切り出せばいいクセに、彼女は変な所で女々しくなる。
平気で連絡は無視するのに。
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