スウィートエッジ

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辛うじて耳に届いた破裂音が舌打ちだ、と。気付くのに時間が掛かったのは、認めたくなかったんだと思う。 「あのさぁ……いい加減分からない?アタシの言いたい事」 苛立った様子がハッキリと見て取れたのなら。私は笑顔のまま、言ってくれなきゃ分からないよ。そうおどけてた、いつもなら。 「わかんないよ!ハッキリ言ってよ!」 きっと、限界だったんだと思う。 私の叫び声に、店内が静まり返った。他に幾つか聞こえていた談笑の声が、視線に変わって、私達に向けられる。 私と違ってバツが悪そうに頭を掻いた彼女は、小さく溜め息を漏らした。 私は勢いよく立ち上がったまま、彼女を睨んでいた。
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