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「別れよう、アタシを解放してくれ」
ずっと、聞きたくて。一番聞きたくなかった言葉は、私の心臓を貫いた気がした。
覚悟していた筈なのに、心臓が脈を打つのを喉元で感じる。
意味を理解する程に、よく分からない身体の芯みたいな所からじわじわと何かが込み上げる。
言いたい台詞が喉に詰まって。
勢いよく手付かずだったミルクティーを飲み干して。
崩れ落ちるみたいに腰掛けた椅子がギィって鳴いた。
「そっ……かぁ」
天井で、プロペラが回っていた。
遠くから聞こえるひそひそとした話し声は、私達に矛先が向いていたんだろう。
「良いよ、バイバイ。二度と顔も見たくない」
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