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いつもグラウンドにある その背中に憧れていた。
ずっと教室に響くその声に惹かれていた。
また明日ー そう言って大きく振るその腕に抱かれる夢を見ていた。
「おぅ、小森はよー 今日もはえーな!
まだ朝練、誰も来てねーぞ?」
「賢にぃはよーっす、つか知ってるし
オレかしこいからさー笑」
((今日も朝から会えた))
毎日の些細な事で喜ぶオレは、恋する乙女そのものなのだろう。
「お、マッキー来たから行くなー
お前も朝練頑張れよー」
どこ行くんだよ、オレから離れんなよ
「おー、賢にぃももう歳なんだから
ムリすんなよー」
本人には絶対に伝えられない。
オレの心の奥深く、固く閉ざされた扉の中に
今日も明日もこれからも、ずっと、この恋心を隠し続ける
それが、オレが好きになってしまった相手へのオレなりの伝え方。
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