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白い髪の男の子が自身を指指す。
「僕、吹雪士郎。で、こっちが鬼道君。鬼道有人。で……」
さらさらと淀みなく紹介していく吹雪。
歌純はその紹介を一言一句漏らさず聞いていた。
「……で、僕達が通ってるのがここ、雷門学園」
(……んん?)
「雷門学園?」
「うん」
(イナイレに詳しい訳じゃないけど……)
「雷門中学校……じゃなくて?」
その疑問に答えたのは風丸。
「ちょうど今年度「雷門中」から「雷門学園」に名前が変わったんだ」
「……そうなの?」
「ああ」
(アニメでそんな設定あったっけ……?)
実際の所、イナイレに関しての知識は、小学生の頃男子が話していたのをたまたま耳にした程度で、「雷門中」は聞いた事あるが「雷門学園」は聞いた事ない。
その程度の経験からくる疑問だった。
「……ま、どっちみち大差ない、か」
「何が?」
「なんでもない」
歌純は現実の世界に嫌気がさしていた。
(この状況を、世界を楽しんでも罰は当たらないよね)
ぐっと手を握り締めて、歌純は大きく息を吸い込む。
そしてにっこり笑った。
「帰れなくなっちゃったんで、よろしくお願いします♪」
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