まぁ、世の中なんてこんなもん

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「歌純ちゃん、歌純ちゃん。朝だよ?」 「むぅ……まだ朝違う……」 「違くないよ、あーさ!ほら起きて。歌純ちゃん!」 歌純は夢うつつに誰かに肩を揺すられた。 もぞもぞと布団に篭ると、「困ったなぁ」と誰かが呟くのが聞こえた。 すると部屋に控え目なノックが響く。 「はい?」 「俺だ。入るぞ」 カチャッと静かにドアの開く音がして、男の子が猫の様にするりと部屋に入る。 「なんだ、まだ寝てんのか」 「中々起きないんだ」 「しゃーねぇなぁ。俺が起こしてやらぁ」 (んむぅ……誰……?) 人の気配が近づいて、止まったと思うと、次の瞬間には布団が音を立てて引っぺがされた。 暖かかった布団がなくなって慌てた歌純は寝ぼけたまま飛び上がった。 「寒いぃー!!」 「うお!?」 目をつむったまま誰かに飛びついた歌純は、そのまま二度寝の態勢に入る。 「晴矢モテモテだねぇ」 「笑ってねーで何とかしろよヒロト!」 基山はクスクスと笑っており、歌純に抱き着かれたのは南雲だった。 そう。 ここはお日様園。 昨日基山と一緒に事情を説明して、一晩歌純がお世話になった所だ。 真っ赤になった南雲が歌純の頭をはたく。
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