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「コラ!起きろ!」
「うにゃ」
ぽてんとひっくり返って目をこする。
少しずつ頭が覚醒してきた歌純は、ぼんやりした顔でゆっくりと目を開き、基山と南雲を認識した。
それからたっぷり3秒たってから飛び起きた。
「ッッ!!」
「おはよう歌純ちゃん」
ヒロトがにこやかに笑いかける。
「あ……おは、おはよう」
髪を梳いて耳にかける。
基山を見ていた歌純の目が、すっと南雲の方を向く。
目が合って南雲はどきりとした。
ふっと微笑んで歌純は南雲に「おはよう」と言った。
「お、おう」
「……ようやく起きたね。後少し寝てたらお日様園ちびっこ軍団を投入してたよ」
「おひ……おひさま?」
「ここにいる小学校低学年の子達で、悪戯大好きなおませさんだよ」
歌純は可愛いと思う反面、自分が標的になったらと考えると、悪寒が走った。
南雲は標的になった事があるのか、ぶるりとその身を震わせた。
依然基山はにこにこしている。
(……軍団の指揮官は基山君か)
歌純は妙に納得した。
「ふ……あぁ……」
思わず欠伸を漏らす歌純。
「ん?まだ眠い?」
「少しね」
「そっか。じゃあ俺達外にいるから着替えておいで」
「はぁい」
歌純が返事をすると、基山は南雲をぐいぐい押して部屋から出て行った。
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