まぁ、世の中なんてこんなもん

3/19
前へ
/57ページ
次へ
「コラ!起きろ!」 「うにゃ」 ぽてんとひっくり返って目をこする。 少しずつ頭が覚醒してきた歌純は、ぼんやりした顔でゆっくりと目を開き、基山と南雲を認識した。 それからたっぷり3秒たってから飛び起きた。 「ッッ!!」 「おはよう歌純ちゃん」 ヒロトがにこやかに笑いかける。 「あ……おは、おはよう」 髪を梳いて耳にかける。 基山を見ていた歌純の目が、すっと南雲の方を向く。 目が合って南雲はどきりとした。 ふっと微笑んで歌純は南雲に「おはよう」と言った。 「お、おう」 「……ようやく起きたね。後少し寝てたらお日様園ちびっこ軍団を投入してたよ」 「おひ……おひさま?」 「ここにいる小学校低学年の子達で、悪戯大好きなおませさんだよ」 歌純は可愛いと思う反面、自分が標的になったらと考えると、悪寒が走った。 南雲は標的になった事があるのか、ぶるりとその身を震わせた。 依然基山はにこにこしている。 (……軍団の指揮官は基山君か) 歌純は妙に納得した。 「ふ……あぁ……」 思わず欠伸を漏らす歌純。 「ん?まだ眠い?」 「少しね」 「そっか。じゃあ俺達外にいるから着替えておいで」 「はぁい」 歌純が返事をすると、基山は南雲をぐいぐい押して部屋から出て行った。
/57ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加