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「……大丈夫か?」
「あ、はい」
(あれ?声、低い……もしかして男の子だったかな)
綺麗な顔立ちの為、女の子かと思っていた歌純。
そんな思考を知ってか知らずか、オレンジのバンダナを巻いた男の子が声を掛ける。
「風丸ー、そいつ怪我は?」
「大丈夫みたいだぞ」
「そうか。良かった!」
(風丸?変わった名前……)
風丸と呼ばれた男の子は振り返って男の子に笑い掛けた。
その様子を見て、とりあえず大丈夫だと悟った歌純は、スカイダイビングの緊張からか、気を失った。
「……ん?あ、おい、おい!」
遠くなっていく男の子の呼びかけを残して。
*
「……あれ?」
「あ、気が付いたね」
目を開けると、ハネた赤髪の綺麗な男の子が傍らに座ってこちらを見ていた。
歌純はベンチに寝かされていた様で、慌てて起きる。
「慌てなくても、俺等怪しくないから大丈夫だよ」
「……はぁ。えと、ここ何処ですか?」
「ここ?……ああ、そっか。君、円堂君達が拾ってきたっけ」
「拾っ……」
「あはは!俺等今、練習中なんだ。また後でね」
(……ん?)
「あの……俺等って?」
「あっちだよ」
赤髪の男の子が指差した方を見ると、成る程、サッカーをしている男の子達がいた。
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