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すると白い髪の男の子は、話を変えた。
「その制服可愛いね」
歌純は一瞬きょとんとすると、照れた様に制服を見下ろした。
「これ?苦労して入った中学の制服なんだ」
「へぇ。どこの中学?」
「私立名桜(めいおう)中」
「……名桜?聞いた事ないな」
「あ、鬼道君」
マントの男の子は鬼道というらしい。
「東京にはなかったと記憶しているが……」
「うーん。少なくとも北海道にはないよ」
(……さては)
「信じてないね、さっきのトリップした話」
「まあ、にわかに信じ難いな」
「でも……本当にトリップしたなら、どうやって帰るの?」
一同硬直。
「パソコン通って来たならパソコンじゃない?」
赤髪の男の子がそう言うと、皆揃って手を叩く。
(言えてるかも……)
「ヒロト、流石だな!」
円堂がにかっと歯を見せて笑い、ヒロトと呼ばれた赤髪の男の子はそれを受けて嬉しそうにした。
「ふぅ~ん。じゃ、パソコン室に行ってみようか」
白い髪の男の子は、ほわほわと笑い、歌純の後ろを指差した。
差された方を辿ると、今まで気付かなかったが立派な学校がそびえ立っていた。
「で……か」
これが漫画やアニメなら「ゴシャーン」という効果音が付くだろう。
実際、アニメなのだが。
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