第1章

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もつれた糸の解き方。 ドンっ 「あ、すんません。」 雨の中、ただただ何も考えずに歩いていた。 前の人なんかに気づかずに心が空っぽの人形みたいに。 「君、大丈夫?ずぶ濡れだよ?」 「気にしないで下さい。」 親切に心配してくれた人は下を向いてる俺の顔を覗き込んで 「大丈夫じゃ無いみたいだね。まだ高校生でしょ?うち、おいで。」 「いや、迷惑だし、本当大丈夫なんで…それじゃ」 上手く交わしたはずなのに、俺が横を通り過ぎる前に俺の腕を掴んだ。 「迷惑なんかじゃないから。なんかあったのなら話きくよ。赤の他人にきいたらスッキリするかもしれないでしょ?ほら、おいで」 ぐいっと腕を引っ張られて、そいつの隣にならばされて逃げないようにか腕も掴んだまんま。 「………」 こいつが悪者だとか、危ない人だとか、もう俺にとっちゃ関係ないか。俺にはもう生きてる意味なんて無いんだから。 自己放棄になっていた俺は拒否ろうともせずそいつの隣を歩いた。 ****************** 俺とそいつが会ったとこから家は近かったみたいで案外すぐについた。 「ちょっと待っててね、タオルとってくる。」 「あ、はい…」 お風呂場に行ったと思えば顔だけ覗かして 「体冷えないようにお風呂、入っておいで。それから話しよっか。」 「いえ、大丈夫で「ほら、はやく。」」 俺の拒否する声を遮るようにそいつは俺をお風呂場に連れ込んだ。 もう抵抗する気力も、体力も無かったからそいつの言うことに従うことにした。 「それじゃ、お借りします。」 「どうぞ。ゆっくりあったまっておいで?」 優しい雰囲気がダダ漏れなそいつは俺にそれだけ言って扉を閉めてくれた。
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