第1章

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「とりあえず、入ろ…」 あいつの言う通りあったまって出ないと風邪ひいちまうしな。 いつも通り染みる傷の痛みに堪えながら俺は風呂に浸る。 「上がってから礼言って、早く出て行かないとな…」 でも俺に居場所なんてもうない。しいて言えるなら空の上か? ハハッと乾いた笑いを口にしてから俺はすぐに浴槽から上がり全身を洗いさっさと出る。 あいつが準備してくれた下着と服をきて、とりあえずリビングに向かった。 「お風呂、ありがとうございました。」 頭に被せてたタオルをとって、肩にかけ頭を下げて 「それじゃあ、俺はこれで…」 と、踵を返した時 「え、ちょ、待って!ご飯!作ったから!」 「え?」 確かに机の上に2人分の飯はあるけどこんなかっこいいんだから彼女とかだろ。
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