第2章 鈴蘭の花

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   東側の部屋にもシャンデリアがあったが木で造られているので光ることはなく曲線を描いた木のアームの先端部には、小さな蝋燭が何個も付けられている。部屋の隅には其々小さな木の円卓と白くて丸い少し曇ったガラス玉の燭台があり部屋の至る処に置かれていた。淡い月白色をした絨毯には花の絵がクリーム色で描かれ、洋梨の形をした橡(つるばみ)がいくつか転がっている。奥には中庭に面したテラスとを繋ぐ白いレースの敷居が西向きに置かれたピアノに覆い被さっていた。  シュシルはピアノの横を通り過ぎ開け放れたテラスまで来ていた。テラスの中には、茎のまっすぐ伸びた莎草(かやつりぐさ)や木賊(とくさ)など、種類も形も様々のどれも花を咲かせなていない葉が壁伝いに茂っていて、中央には悠々と2人くらいが横になれるほどの大きな青碧(せきへき)色のソファが置かれていた。  
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