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ーーーーーーそれはまだ、彼と彼女が出会う前の話だった。
「なぁ正義(せいぎ)。俺たちもうお前について行けねぇよ」
そう言い、自分の元を去った友人たちの背中を見送る。
高校生活も終盤を迎えたある日、自分には本当に理解しあえる友達は居ないのだと知った。
ーーーーーーーしかし、それもそうかとも思う。
受験の大事な時期に問題を起こしたいと誰も思わない。
しかし、曲がった事間違った事は決して許す事が出来ない。
それは名前の所為でも、親の躾なのでも無く。生まれながらの性分でしかない。
今回だって、大したことでは無い。
ただちょっとひったくりを、友人全員で探しだし警察に突き出しただけである。
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