二人ぼっち

2/20
前へ
/272ページ
次へ
ーーーーーーそれはまだ、彼と彼女が出会う前の話だった。 「なぁ正義(せいぎ)。俺たちもうお前について行けねぇよ」  そう言い、自分の元を去った友人たちの背中を見送る。  高校生活も終盤を迎えたある日、自分には本当に理解しあえる友達は居ないのだと知った。 ーーーーーーーしかし、それもそうかとも思う。  受験の大事な時期に問題を起こしたいと誰も思わない。  しかし、曲がった事間違った事は決して許す事が出来ない。  それは名前の所為でも、親の躾なのでも無く。生まれながらの性分でしかない。  今回だって、大したことでは無い。  ただちょっとひったくりを、友人全員で探しだし警察に突き出しただけである。
/272ページ

最初のコメントを投稿しよう!

42人が本棚に入れています
本棚に追加