13.

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 4時を過ぎた。家に電話しても、実家に電話しても誰も出ない。生徒たちも帰ってしまった。母に連絡をして康介から何か連絡がないか聞いてみても連絡は受けていないという。どうして?社会人になってからは今までこんなに連絡がつかなかったことはない。  突然、公衆電話からの着信。 「康介!どうしたの?心配したじゃない!!」  声を荒げて電話を取った。 『美奈子ちゃん・・・』  康介のお母さんの声だった。 「お義母さん?」 『康介が、康介が・・・』  それ以上声にならなかった。どうしたのかと尋ねるがうわごとのように康介の名前を呼ぶだけで、何も話さない。 「お義母さん?お義母さん!!」 『婚約者の方ですか?』  突然、男性の声が聞こえてきた。 「はい。あの・・・康介がどうしたんですか?」  電話口の男性が言いにくそうにしている。 『警察の者ですが、田上康介さん。今日の昼、交通事故に遭われまして中央病院に運ばれました。』 「交通事故!!康介は?どんな状態なんですか?」 『お気の毒です。お若いのに残念です。』  声が・・・遠くに聞こえた。何が起こったのか・・・。携帯がスローモーションのように落ちて行った。
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