13.

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 宝石店の名前の入った小さな箱を受け取った。ぼろぼろになった紙の箱を取り除くと、小さなジュエリーケースが表れた。ダイヤの指輪と封筒。封筒の中には小さなメッセージカード。 『美奈子へ  今まで付き合ってくれてありがとう。  信じてくれてありがとう。   これからは美奈子を幸せにするから結婚しよう。』  見覚えのある康介の癖字。恥ずかしがり屋の康介らしい。これを渡してプロポーズの代わりにするつもりだったのだ。 「プロポーズですか?」 「今日、二人の記念日だったんです。付き合い始めて9年目。きっと結婚式は来年の今日・・・。」  その答えを聞くと丸山さんはつらそうな表情を見せ、離れて行った。
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