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宝石店の名前の入った小さな箱を受け取った。ぼろぼろになった紙の箱を取り除くと、小さなジュエリーケースが表れた。ダイヤの指輪と封筒。封筒の中には小さなメッセージカード。
『美奈子へ
今まで付き合ってくれてありがとう。
信じてくれてありがとう。
これからは美奈子を幸せにするから結婚しよう。』
見覚えのある康介の癖字。恥ずかしがり屋の康介らしい。これを渡してプロポーズの代わりにするつもりだったのだ。
「プロポーズですか?」
「今日、二人の記念日だったんです。付き合い始めて9年目。きっと結婚式は来年の今日・・・。」
その答えを聞くと丸山さんはつらそうな表情を見せ、離れて行った。
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