13.

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 全て康介らしい。  戻ってきた丸山さんは『お会いになりますか?』と尋ねた。小さくうなずいて、丸山さんの後に続く。周りの風景は色あせていた。横たわった康介以外色あせて見えた。気が付くと泣きつかれたお義母さんの声は聞こえなくなっていた。 「お母様には落ち着いていただくために鎮静剤を投与させていただきました。」  お義母さんは目を閉じたまま涙を流す。  康介は・・・まるで眠っているようだ。 「頭部を強く打ったらしく、体は擦り傷が多少ありますがきれいなもんです。 この仕事をして交通事故の処理は何度もしていますが、こんなにきれいな状態は見たことがありません。 顔に見覚えがあるんですが、バスケットの選手じゃありませんか?大学バスケ界では注目の選手だった。」
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