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現在・25歳美奈子  3日の記憶喪失の後、通常の生活に戻った。父も母も、何も言わなかった。 部屋に一人でいると自然に涙があふれてくる。泣こうと思わないのに・・・だ。 ご飯もろくに食べることもできなかった。 このまま体の水分が蒸発していき干からびて、ミイラのように死ねないものかともあの頃は真剣に思ったものだ。  あまりにも憔悴した様子に上司である校長もしばらく休むように促したが、それをやんわり断った。 何か他のことを考えていれば、康介のことを思い出さなくて済む。同僚が驚く程に元気だった。 ただ・・・桜を見ると反射的に体が動かなくなった。道路の真ん中で動けなくなって車に引かれそうになることも何度かあった。
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