13.

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 空を見上げたその時、表現ができないような薄明るい光が康二君を包んだ。康二君が振り返る。 『美奈子。』  忘れたくても忘れられない声。包まれた光の中に確かに康介が立っていた。 『ごめんな。美奈子。美奈子のこと「守るから」「絶対に泣かせない」って言ったくせに・・・。約束が守れなくて。本当にごめん。』  いつもより口数が多い? 『怒ってる?あたりまえだよな。誰だって怒るよな。』  涙で康介の姿がかすむ。何も言えなくて首を横に振る。  月の光に照らされたその姿はスポットライトを浴びているようだ。康介がゆっくり歩み出る。初めて抱きしめられた時のようにゆっくり、ゆっくり。抱きしめられて足の力が抜けていく。康介がしっかり受け止めてくれた。
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