13.

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 康介はそう言うと、流れ落ちる涙をぬぐった。徐々に康介の顔が近づいてくる。  冷たいキスだった。光に包まれたまま、最後の長い長いキスだった・・・。  康介の気配が離れて目を開けると、そこにはあのはにかんだ笑顔の康介が立っていた。 『最後に美奈子にあえてよかったよ。康二にありがとうって伝えてくれる?』  そっとうなずく。 『美奈子・・・愛してるよ。』  最後の言葉はかすかに遠くに聞こえた。光がきらきら、宝石のような輝きを放ったかと思うと、康介が立っていたところに突然暗闇が訪れた。康二君は眠っているかのように目を閉じたまま元の場所に立っていた。突然、康二君の体が崩れ落ちる。  駆け寄って抱き起すと、 「兄貴・・・逝ったんだ・・・。夢に出てきてからときどき、意識がなくなることがあって・・・、きっと兄貴が俺の中にいたんだね。美奈子さんに会うために・・・。」  康二君は、月明かりでほんのり照らされた星いっぱいの空をじっと見ていた。
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