244人が本棚に入れています
本棚に追加
――‐‐
季節が過ぎて、俺は高校を
卒業した。
あの日から、学校生活も変
わった。昼休みや放課後に、
サークルの奴らとはつるまな
くなり、代わりに七海からの
メールを待つようになった。
七海はたった一言しか伝え
て来ない。
トイレ、保健室、備品室、
呼び出しには全て従った。
七海は優しい。
俺が逆らわなければ、痛いこ
とはあまりしない。時々、ふ
としたことをキッカケに嫉妬
に狂って酷くされるけど……
人には見せられない傷が増
える度に……この体は七海の
モノだと実感できた。
「陽介、卒業おめでとう」
「七海……」
最初のコメントを投稿しよう!