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思い起こせば、周瑜の教えを受けるのはこれが初めてだが、そこまできつくは無いだろう。
§§§§§§§
と思っていた時期が、俺にもありました。
ただの誇張だと思っていた孫策の言葉は、あながち嘘ではなかった。
「何度言えば分かる。そこはこうだろ?ん?おい」
怒鳴られるより、今の周瑜のように冷静に淡々と責められる方が数段怖い。
てゆうか人格変わってんだろ。
周瑜に平謝りしながら、間違ったところを訂正する。
孫策には軽々しく頑張れなんて言ったが、これは逃げたくなるのも納得である。
「な、なあ周瑜。少し休憩にしないか?そろそろ半刻くらい経ったろ」
「駄目だ」
後ろを振り返り、試しに休憩を提案してみたのだが、素気なくあしらわれる。取り付く島も無いとは、まさにこのこと。
「そんなこと言わずにお願い!」
頭を下げて拝んで見たが、周瑜は竹簡から目も上げないし、次は返事も無かった。
ガクッとうなだれてから、渋々机に向かい直す。
「はぁ。集中の切れた頭では捗らないだろう。少し休憩にしよう」
仕方なく、といった顔色で、周瑜から許可が下りる。
孫策と二人、長く息を吐きながら、椅子にもたれ掛かる。
「孫策。軽く頑張れとか言ってごめんな。わりときついな、これ」
「でしょ?公瑾は学問のこととなると目の色が変わるんだから」
「ほほう?まだ喋るだけの元気があるなら、休憩は必要無いな」
ニヤリと口の端を上げながら、横目で睨みを利かせる周瑜に、今度は二人揃って口をつぐむ。
そんな時、部屋の外から扉越しに声を掛けられる。
「孫策様。至急、広間に来て欲しいとの、孫堅様よりの伝言です」
「分かった。すぐに行くと伝えなさい」
「はっ」
扉の前から居なくなったのが、駆け足の音で分かる。
「そうゆうことだから、私は行くけど、征夜はちゃんと勉強続けてね」
「あぁ、分かったから、早く行った方が良いぞ」
机に肘を突き、その上に顎を乗せながら、もう片方の手をヒラヒラと振る。
「じゃあ二人とも、頑張ってね」
勉強から解放された喜びなのかは分からないが、とにかく楽しそうに、孫策は飛び跳ねるように部屋を出て行った。
「孫策はいつも元気で良いな」
「昔はもっと大人しかったんだがな」
「そうなの?」
周瑜の意外な言葉に興味を引かれ、そちらに視線を向ける。
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