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「その発言でマスコミもテレビも煩くってしょうがないんだが?」
溜息混じりに元也は言う。
「まぁまぁ。
そうカッカすんなって」
呆れる元也を押しのけるかのように誰かが入ってきた。
「あ、ひでじぃ!」
彼の姿を見るなり、土萌は嬉しそうに起き上がった。
「よっす!
お転婆アイドル!」
ひょうひょうと一人の少年が入ってきた。
彼は西城 秀治(さいじょう ひでじ)。
背が高くハンサムな彼はモデルにスカウトされる程のルックスだが、裏方の方が性に合うらしく片っ端から断っている。
「お前の監督不行き届きじゃないか?」
元也はジロリと秀治を見た。
「何をおっしゃるウサギさん。
俺は如月のボディガードしてるだけだもん」
チッチッチと秀治は右手の人差し指を左右に動かした。
「そうだよ。
ひでじぃはげんなりがガッコに来れないから変わりにガッコであたしの事見てくれてるんだよ」
秀治の言葉に乗っかり、土萌は元也に言い返す。
「まぁ、幸いにも本名やらなんやらバレてないからよかったものの……」
二人の言葉に元也は大きなため息をついた。
「ウィッグかぶってメイク落としてたら意外とわからないもんな」
土萌を撫でながら秀治は呑気に笑っている。
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