ゴシップガール!

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「そうそう! たまにはいい事言うね」 コクコクと土萌は頷いている。 「『たまには』は余計」 ゴチン 何故か土萌は秀治に頭突きをかました。 「いて! 石頭め!」 頭をさすりながら秀治は言う。 「なんですって!」 グリグリグリ…… 秀治の言葉にムッとした土萌は秀治のコメカミにグリグリ攻撃をする。 「コメカミいたたた!」 グリグリ攻撃に秀治は悶絶する。 「あーもう! 社長! 黙ってないで何とか言って下さい!」 じゃれあう二人を見て何も言わない社長に元也は意見を求める。 「あ、うん。 何て言うか……。 ほとぼりが冷めるまで学業に専念してもらおうかと……」 ソファーで黙って新聞をみていた社長はゆっくりと視線を土萌の方へ向け口を開いた。 35歳の若手社長。 元・人気俳優。 裏方の仕事をやりたいという事で早々と引退してしまった。 茶色い短髪を綺麗にまとめ、きっちりとスーツを着用している。 背も高く結構いい男だ。 頼りないように見えて中々のやり手で業界からも一目置かれている。 「それって謹慎ですよね?」 社長の発言に元也は怪訝そうな顔をする。 「そうだね」 申し訳なさそうに社長は答える。 「『そうだね』じゃないです。 今売れっ子のTOMOEが消えたらファンが悲しむじゃないですか」 社長に詰め寄り元也は言う。 だけど、社長はあまり動じてないようだ。
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