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「これからよろしくね!」
スッと土萌は秀治の前に手を出した。
「俺も、よろしくな!」
土萌の手を大切にギュッと握り秀治はそっと手にキスをした。
***
……――
数日後、例の番組収録日がやってきた。
この番組は生放送で高視聴率の番組である。
……――
スーツをビシッと着こなしたMCの女性タレントとレギュラーで出ている男性タレント、そしてTOMOEの三人で収録が始まった。
「今週もはじまりましたよ!
激辛人生論!
今週のゲストはあの噂のアイドルTOMOEさんです」
MCの女性タレントがTOMOEの紹介をする。
隣に座っている男性タレントが拍手をする。
いよいよ本番……。
「こんばんわ。
TOMOEです。
宜しくお願いします」
挨拶をするTOMOE。
何時もとは違う緊張感がTOMOEを襲う。
雰囲気もいつもと違う。
髪はおろし、大人びたバレッタで止め服も黒を基調にしたクールな感じに仕上がっている。
「早速ですがTOMOEさん。
あの例の発言で話題奮闘中ですが心の内は如何でしょう?」
MCの女性タレントはTOMOEに尋ねた。
「あの言葉に二言はありません。
今あたしはお付き合いしてる人がいます。
あたしは『アイドル』である前に『女』なんです。
恋だってしていいと思います。
恋して綺麗になればそれでよくないですか?」
今の気持ちを隠す事無くTOMOEは言った。
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