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彼の表情は焦りを見せている。 きっと私が今帰ってくるとは思わなかったのだろう。 気まずそうにはにかみ多くの言い訳を並べる彼。 その姿は昔の彼とは違っていて、どことなく押しの強さや理不尽さがなくなっているような気がした。 「あ・・・、いや。 お前がゴールデンウィークに帰って来るって言ってたからさ。 もしかしたら家にいるんじゃないかって・・・。 たまたま近くを通ったから、驚かせようとしていきなり寄ってみたんだよ!」 私の事を驚かせるつもりだった・・・って。 しかも、家に帰ってくる時間まで予測して・・・。 「ふぅん・・・。」 彼は嘘を吐いている。 だけど、何らかの用事があって私を訪ねてきた事には変わりないようだ。
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