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「せっかくだから上がってく?」 私はキャリーバッグを引いていない左手で彼の腕を掴み、実家の玄関に向かって彼を引っ張っていった。 そしてドアを開け、早速彼を家の中へと通す。 「ワンッ、ワンッ!!」 リビングへと通じるドアの向こう。 そこには既に、可愛い愛犬が私たちを出迎えてくれていた。 「マロン!ただいまぁ!!」 もこもこした茶色い体毛の彼を抱きしめ再会を喜ぶ。 3月の帰省以来約2ヶ月ぶり。 ようやく私の顔に笑顔が戻ってきた。 桜城の事が頭から離れず、地元に帰ってようやくその話題を忘れかけたと思ったら・・・。 まさか、実家の前に雄哉がいるなんてね。
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