都合のいい身体

3/4
前へ
/35ページ
次へ
彼と出会ったのは小学生の頃。 2年生の夏休み明け、彼は私が在籍していたクラスに転入してきたのだ。 肌は白く、髪や目の色素も薄い。 優しく垂れた目元は一見女の子。 だけど、彼はちゃんと“男の子”だった。 桜城の家は私の実家の近所にあって、小さい頃はよく一緒に遊んでいた。 ピアノを弾く彼の横で歌を歌う私。 そして私の家に遊びに来れば、女顔負けの演技力で人形遊びに加担していた彼。 彼と過ごした5年間は本当に楽しかった。 だけど小学5年生の夏休みを境に、私たちは一切一緒に遊ばなくなったのだ。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

88人が本棚に入れています
本棚に追加