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「んんん、ん……?」
男は現実へと文字通り引き戻された。
真希に繋がった鎖が引かれ、それによって男の意識が眠りの底から引き上げられたのだった。
「……えっ、なんだこれっ?」
男は自分の手首にはめられた手錠とその鎖に気を取られ、その鎖が伸びた先にいる少女に気付くのが一瞬遅れた。
その隙を真希は見逃さなかった。
男の視界でプリーツスカートがひらりと揺れる。
セーラー服の残像が目の前から消え、何かヒモ状のものが跳んだように見えた。
それが何かを理解する暇もなく、男の首に鎖が食い込む。
「――あギッ」
声とも息ともわからぬ音が喉から漏れる。
「……テメーよぉ、あたしに何しやがった?
眠剤か? 薬でも盛りやがったのか? あ?」
真希は、瞬時にして男の背後に回り込み、その首に手錠の鎖を巻き付けていた。
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