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   その46億年の歴史を分かりやすく1年間に置き換え、地球の誕生を1月1日0時0分として換算すると、人類の誕生は12月31日、それも23時も半ばを過ぎた頃になるのだという。  つまり、「我々こそ地球の覇者でござい」と我が物顔でこの惑星上を闊歩する人類は、彼ら自身の知識における歴史において、まだ生まれたばかりの存在にすぎないのである。 太陽系銀河系とその範囲を拡げて考えられば尚更である。  しかし、その赤子同然とも言える人類が、様々な事実を発見し、学術を研鑽し、技術を開発し、46億年という膨大な時間の流れから見ればあまりにも短い歴史を加速させてきた。  それはまさしく人類が秘めたる進化の力によるもの。  これは、その短い歴史のほんの一部分を切り取った、ヒトの革新の物語である。  
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