Act.2

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Act.2

 次の日の朝、起きたらご丁寧に須永さんからメールが届いていた。ああ、ほんとに今日行くんですね……、と思いつつ「了解しました」と返信を打つ。 改めて文面を読み返してみると、メール着信時刻は午前0時過ぎ。仕事終わりにわざわざメールくれたのかなあ、俺が須永さんに絡んだりしなかったらこんな貧相な大学生男子とメールなんぞしなくても済んだものを……、と若干の申し訳なさを感じるが、メール本文のそっけなさと言ったら心が折れるレベルだ。初対面のときの印象もなんか偉そうだったけど、素でそういう性格っぽい感じがする。 朝っぱらから十五分くらい須永さんについて思いを馳せたが、水曜の今日は二限から授業なので、俺はさっさと布団を出ると大学に行く支度をした。一応、着る服はいいもの(俺基準)を選んでみるところが健気だと自分でも思う。
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