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「あ、ああっ、い、……っ」
「お前のモノ、どうなってる?」
「……おれの、も、すごい、濡れて……」
「ヌルヌルしてるのわかるだろ?」
耳たぶを軽く噛まれて、ひっと息を飲む。うまく呼吸もできなくなってきた。あやとさん、と呼ぶ声も掠れる。
「ご褒美」
彩人さんは身体を起こすと、位置をずらして俺のモノを咥え込んだ。今度こそ俺は叫んだ。忘れていた記憶が蘇る。初めて彩人さんに咥えられた日のこと。あの日のことを思うと、いまこうしているのが奇跡みたいだ。
「う、あ、いいっ……ん」
喉の奥まで届きそうなほど深く咥えられては、唇で扱かれて抜かれる。歯を立てられたり唇で押さえつけられたり、一瞬ごとに快感の種類が変わる。
「や、もう、やだ……や、ああ……っ」
咥えられたまま片手で根元を弄られて、俺は泣きそうになる。もうダメ。耐えられない。気持ちよすぎてどうにかなる。
「あや、と、さ……も、イクから……っ!」
懇願するように言っても、彩人さんは口での奉仕を止めない。
「もう、ダメ……っ」
ドクン、と脈打って、俺のモノは白濁を吐き出した。彩人さんは咥えたままソレを飲み込もうとする。飲みきれなかった精液が彼のきれいな口元から溢れるのを見て、どうしようもなく恥ずかしくなる。彩人さんは唇を拭うと、俺を見上げた。
「俺がお前を好きになったのは、全然似てないことがわかったからだよ」
突然のセリフに、俺の脳はついていけない。ただ、好きだと言われていることだけわかって、泣き出したいくらい胸が熱くなる。彩人さんは俺の胸に耳を押し当てて、愛撫するように腰のあたりを撫でる。くすぐったいような感覚が腰の周りを走る。
「お前のこと、何度も抱いた」
甘えるようにして身体をすり寄せてくる彩人さんが意外で、俺は彼の肩に腕を回す。
「夢の中で、何度も」
腹に触れる彼の唇から零れる言葉は、そのまま身体に流れ込んでくるようだった。
「俺が好きなのは、理緒……」
ふと、視線が合って、彩人さんが照れるように微笑んだ。俺は泣きたくなるのを堪えるのがやっとだった。どうしてこんなにもこの人は俺の心を揺らすのだろう。愛おしい気持ちが込み上げてきて、俺は彼をぎゅっと抱きしめる。
「……りお」
彩人さんは起き上がって俺と視線を合わせると、名前を呼んだ。
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