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深夜の病院に少年と医者が1人いた。少年の真正面に座っている医者の男は泣いていた。
「莉久........」
「僕の体に異常があったんだよね。拓真先生、教えて....」
男は何も答えない。
少年の目から涙がこぼれた........。少年の体は震えていた......。
「拓真さん....俺は、あとどれくらい生きれますか....?」
拓真と呼ばれた男が顔を上げて口を開いた。
「莉久、お前の残りの寿命は.....。1年も持たない....と思う......」
拓真は泣くことしかできなかった。
「....そっか.....」
「莉久.....?」
そうか、俺には時間は限られている
「先生、このことは誰にも言わないでください」
「え.....!?」
拓真は驚いた顔をした。
「どうして.....?」
「俺さ、学校に行きたいんだ....。高校に....」
「だめだ.....!!俺は、絶対に許さないからな...!!」
「拓真先生、お願い.....」
拓真は泣きながら言った。
「お願いだから病院で治療を受けようよ....。俺はお前に少しでも長く生きて欲しい...。お願いだよ、莉久....」
「拓真先生、ごめん....。俺、どうしても学校に通いたいんだ」
「どうしてもか....?」
「うん......。どうしても.....」
「....わかった。そのかわり俺もお前と一緒にお前の編入する学校に行く!保険医として、.絶対に....」
「どうして.....?」
「心配だからだろ!」
そっか.....。ありがとう、心配してくれて......。
でも、俺は行かないといけない......。たとえ死んだとしてもね。
「じゃあ今日は俺は帰ります」
「わかった。あとで学校とか教えてくれ」
「はい....」
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