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「カイト先輩、こっちの掃除終わりました!」
「お疲れ様、僕の方はもう少ししたら終わりそうだから待っていてくれないか?」
てとてとと小動物のように近付いて来るプレシアが笑顔で言った。無意識に小動物を撫でるかのように撫でてしまい思わずはっとして離れた。好きでもない男に撫でられたのは嫌だっただろう思い咄嗟に謝るのだが……
「あの……カイト、先輩……っ もう少し、撫でてもらってもいいですか……?」
ほんのりと白い頬をりんごのように赤く染めじっと僕を見つめるのだ。
不意にドキッとしてしまい、こちらも釣られて恥ずかしくなってきてしまった……。さて、どうしようか……。
目線を逸らし、誰か来ないかと確認をする。……よし、誰もいない。これなら誤解されることなく済むだろう。
「これくらいのことなら大丈夫だよ」
柔らかい笑みを浮かばせ再び彼女の細く柔らかい髪を撫でる。気のせいなのかはわからないのだが、プレシアから甘い香りがする……これが一種の女の子のいい匂いなのだろうか。
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