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真夏の夕暮れ。
海辺にただ一人、たたずむ彼女。
涼風に吹かれまとわりつく、純白のワンピースが細身な身体を映し出す。
物憂げな彼女の眼差しにも、息をのむ。
……綺麗だ。
風に靡く黒髪も、彼女の美しさを創り出す。
あぁ、夕陽が彼女の顔にも映えだした。
目元がキラキラと光って…
えっ、泣いているのか?
でもその涙すら。
彼女の美しさを応援する。
段々、夕陽が彼女を覆い始める。
涙が光り輝くのを最後に。
漆黒の暗闇が。
彼女を、呑み込んでいった。
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