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バッ!!
バネにはねられたように勢いよく飛び起きた。
慌てて隣にいるはずの悠の姿を確認する…が、そこに悠はいなかった。
あんな夢を見たせいか、どうしようもない不安に襲われ、ベッドから下りて寝巻きのまま自分の部屋を出た。
バクバクと寿命が縮まりそうなほどの音をたてる心臓に比例して、足早だったのが走りに変わる。
さほど遠くない悠の部屋の扉を、ノックもせずに力任せに開けた。
しかしそこは人がいたような雰囲気は無く、ひっそりとしている。
ここにもいないことが分かると、さらに焦りは募り、リビング目掛けて走り出した。
風峰さんが用意してくれた俺たちの新居は、無駄に広い。
2階に全員の部屋が収まるほどで、1階がリビングやキッチン、ダイニングやお風呂がある。
3階まであり、楽器ルームやダンスレッスン、ボイストレーニングルームなど音楽に関係する部屋ばかりだ。
2階から1階に下りるため、階段に通じる曲がり角を曲がろうとした、時。
ドンッと真っ正面から強い衝撃を受けて、咄嗟に後ろ足に力を入れて踏みとどまった。
「キャッ」
衝撃を受けた方から、たった今探し回っていた人の声が聞こえ慌てて目の前を見ると。
地面に尻餅を着いて腰を擦る悠が倒れていた。
「悠!!」
「おわっ!?」
思わず悠に抱きつく。
突然のことに支えきれなくなかった悠はそのまま背中も地面に倒れ、俺が押し倒す形になってしまった。
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