柚夢×悠

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フランスに来てから、早1ヶ月。 私たちのCDデビューの準備は着々と進み、毎日音楽に溺れる日々が続いた。 アカペラ、楽器のみのセッション、この2つをずっとやってきた私たちの持ち味を存分に生かすために。 ただ歌を歌うアーティストとしてデビューするわけではなく、楽器のみで演奏したCDも出すらしい。 つまりデビューCDは2枚、歌の方もポップスではなくアカペラだ。 既に私たちの宣伝は大々的に行われていて、まだデビュー前だと言うのにCDはまだかまだかと待ちわびている人が大勢いると聞いた。 僅かなプレッシャーを感じながらも毎日のレッスンや意見の出し合いはとても楽しくて。 充実している。 そんな私たちは婚約もしたことだし、8人全員で同じ家に住んでいる。 風峰さんが用意してくれた家で、1人1部屋、トイレは3つ、お風呂は露天風呂まである豪邸で。 恐ろしいほどに広く素敵な家に住まわせてもらっている。 ただ1つ、申し訳ないのが……私は未だに自分の部屋のベッドで寝たことがない。 それもそのはず、婚約したからにはもう彼らの性欲のストッパーは見事に無くなり。 7人いるから、丁度1週間振り分けられる。 月曜日は煌、火曜日は玲央、水曜日は大和、木曜日は築茂、金曜日は空雅、土曜日は柚夢、日曜日は日向……と、こんな感じで。 私は日替わりで、彼らに抱かれている。 これは最初に決めたルールらしく、彼らは絶対にお互い干渉しないという条件で曜日をそれぞれ決めたらしい。 私の意思は?と尋ねたときなんて、何言ってんのこいつみたいな目で見られたからね。 もう口出し出来ないし、これまでたくさん我慢させちゃったから仕方ないか、と妥協した。 そして今日は土曜日だから、柚夢の部屋に行く。 .
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