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何、そんな顔して。
私は嘘は嫌いだと言った筈だよ。
だから全くの嘘じゃないんだよ?実際面倒くさいと思っていたとしても。
それ以降、何かと日向に呼ばれて仕事の手伝いをしたり、他愛のない話をしたりする事が増えた。
決して過度なスキンシップはせず、日向が疲れた時にそっと傍にいるようなイメージで一緒にいたら、いつのまにか「俺の特別な人になってほしい」と言われた。
そうして人のいない教室で意外にも荒々しく頂かれてしまったんだけも、ここで問題が発生した。
日向が初めてじゃないだろうって言ったの。
うん、もちろん初めてじゃないよ。
それどころかその日の昼休みに築茂に音楽室へと連れ込まれてシたから。
言い訳をさせてもらうと、日向とこの日そうなる予定じゃなかったの。
数時間前の事なので分かる人には分かるよね。
私は嘘を吐く事なく初めてじゃないと言った。
流石に日向も今日誰かとヤっただろうとは言わなかったけど、疑ってるよね。
相手を聞かれたけど、こればっかりは私も口を割らなかった。
それがあんな事になるとは……。
その日は私の頑固な態度に呆れたのか、それ以上追及される事なく帰ったんだけど、次の日私達6人が揃っている時に日向はとんでも発言をしてくれた。
悠が誰かに性的暴行を受けた、何か知らないか、と。
その時の事は思い出したくもない。
誰が俺の悠だの言った挙句に、恋人である自分に何故言わなかったと問い詰められ、恋人は俺だと喧嘩になっている隙に逃げ出してきたって訳なんだ。
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