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欲しい、と懇願しても中々止めてくれなくて、私はすでにぐったりとしていた。
もう寝たいと思い始めた頃になって、柚夢はようやく。
「悠……意識飛ばしちゃ、ダメだよ?…っく」
「っ…!」
ずっと欲しかったものを、やっと与えてくれた。
「あっ、あっ…あぁっ…」
「くぅっ…悠、悠……!好き、大好き…っ」
「はぁああ…っっ…」
巡る血液と一緒に鋭い快感が全身を駆け、こめかみに溜まっていく。
一度身体に起こりこびりついた快感はどこにも出ていかない。
何度も奥を貫かれ、全身が密着するように強くきつく抱き締められる。
「ダメっ……!そんなに、強くっ…したら…あぁっ」
「…嘘。好き、でしょ…っ」
「ああぁん…っ…んんっ」
「悠…悠…」
耳元で繰り返し名前を呼ぶ声は熱く、乱れていて、それさえも私の思考を麻痺していく。
思考が追い付かないまま、ただ喘ぐことしか出来なくなる。
「やっ、ダメ、…っ!!」
「悠……っっ」
「あぁぁっ……!」
失神しそうなほどのエクスタシーが身体の中を走り抜け、私は悲鳴に近い声を出しながら、果てた。
それからも柚夢の容赦ない攻めを続き、柚夢も自分の欲望を吐き出した頃には。
外はすっかり朝日が見える頃で、私は朦朧とする意識の中。
「愛してる……」
そんな柚夢の声を、聞いたような気がした。
END
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