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「お前、シャンプー変えた?」
「分かる?ストロベリーの香りが売っていて、つい」
ほらシャンプーが変わったことに気がつけるとか恋人以外あり得なくね?
いや恋人でも気づかないだろ普通。
あいつらいっつもくっついてるからかもしれないけど鬼藤はよく気がついたよな。
くっついて匂い嗅ぐなんてまじで獣みたいだな、いやイケメンだから許される行為なんだろうけどな。
イケメンに限るってやつだよな、はあ。
「いい香りだな、美味そう」
「ふふふ、私は美味しくないよ」
「……家のもこれに変えとくか」
鬼藤の家に神崎さん専用のシャンプーがあるなんてもうあれじゃん。
お泊り前提じゃん?お泊りの頻度高そうじゃん。
まあ1人暮らしなら彼女連れ込み放題だよな、え、だから恋人じゃないって?んなことねえだろ。
だって俺、生徒会役員になって少しだけ神崎さんと仲良くなったとき鬼藤に牽制?いや牽制じゃ生ぬるいか、脅しだな、脅されたぜ?
どうやって、ていうか。
あの鋭い目で睨まれて神崎さんの髪の毛にキスしてるところを見せつけられた。
で、こっち見てアイツ口ぱくで俺のもんだって嗤いやがったんだよ。
………な、付き合ってんだろ?ここまでして付き合ってないとか有り得ないだろ。
「ほんと美味そう、食っちまいたい」
「私は美味しくないって、食べないで。それより、ほら続きやるよ」
黒色の艶溢れる綺麗な髪を食んでいる鬼藤と神崎さんは相変わらず距離が近いままだ。
まるでキスができてしまいそうな顔の近さ、これで付き合ってないとかマジでねえって。
とにかくアイツらは付き合ってんだろ?
だからこれ以上俺の傷を抉るな、頼むから!!
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