第1章 プロローグ

2/7
6人が本棚に入れています
本棚に追加
/46ページ
コツッ、コツッ、コツッ。  今日は珍しく俺の事務所に来客の足音が事務所の外の通路から聞こえる。  足音から推測すると、ハイヒールを履いた女性だな。真っ直ぐ事務所に来るから、間違いなく仕事の依頼だろう。急いでないとすると、急を要する仕事では無いようだ。  この俺の神山真一探偵事務所に未解決な仕事依頼はまだ、無い。 コツッ、コツッ、コツッ、ドテッ。 「あっ!」(コケたっ!) 「痛ったぁ~!負けないもん、ダーリン、待っててね♪」  俺は少し落胆した。今、事務所に向かって来てる女性は仕事依頼ではなく、俺の恋人でフィアンセ兼、助手の小林祐子だ。  彼女が珍しくハイヒールを履いたからコケたのもあるが、根っからの天然美女で普段からも何もない所でコケる。
/46ページ

最初のコメントを投稿しよう!