あの人は…

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職人だった父 ただただ恐いと言う記憶しか私にはない 今、私が思うのは、そうであって欲しかったと言う父への想い そして、子供心には理解出来なかった父への懺悔の気持ちかもしれない 貴方の遺影…… それは特別笑う訳ではないのに、私の記憶の中にある怒っている貴方とは程遠い、穏やかで何かを訴えているかの様 それは悔いとは違う 何だろう……… その優しい眼差しは誰に向けられているのだろう… 貴方が生きてきた道程は決して楽では無かったはずなのに、写真の貴方のその笑顔は、何を感じて何を想って生まれたのだろう 貴方の愛した人は、今も懸命に生きている 貴方の意志を継いでいるのか、それとも自分へ課せられた運命だと受け入れているのだろうか そして、私は………
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