第1章

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迎撃宇宙艦隊旗艦司令官「小賢しい奴め。そのような嘘を、我々が信じるとでも? 知恵をつけて帰ってきたつもりだろうが、二度も貴様らに騙されるほど、我々も馬鹿ではないのだよ」 司令官は船員に、一斉砲撃を命令。 成層圏での戦いが始まる。 M「ダイキュリー、戦力を削ぐことだけに注力してください」 D「将来に禍根を残すことになる。彼のためだな?」 M「はい」 子供の乗ったモスコミュールの正面で構えるダイキュリー。 無数の敵艦隊より放たれるビーム兵器を、シールドを使って防いでいくダイキュリー。 防戦一方の状態で、だんだんと惑星に近づいていく。 M「ダイキュリー、そろそろ私の後ろへ」 D「どういう意味だ? 前に出るなよ。一気に墜とされるぞ」 M「子供の乗ったカプセルを受け取ってください」 D「俺にどうしろと?」 M「あなたの方が、小回りが利く。私が盾となり、派手に散れば、目立つことも出来ましょう。その隙に、装備換装を行った、あなたは子供を連れて出来る限り地上にまで近づき、彼の乗ったカプセルを開放してください」 ダイキュリー、無言のままモスコミュールの後ろへと回り込み、子供の乗ったカプセルを受け取るのと同時に、射出された鳥型のサポートメカを背面に装備する。 容赦なく続く砲撃を受け大破するモスコミュール。 爆発する瞬間、ダイキュリーは換装した装備の羽をいっぱいに広げ、飛び立つ。 敵艦隊から、ある程度逃れると、子供の乗ったカプセルを大気圏突入させ、ダイキュリーは最後の囮となるべく、敵艦隊へと突っ込んでいった。 浜辺…不時着したカプセルを取り巻く、大勢の人。 一人の少女が、カプセルの中の少年に、手を差し伸べる。 子供は、涙で曇ったバイザーを開ける。 どうやら、途中から通信機器が壊れ、三機の会話が聞こえていたらしい。
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