第1章

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一方、モスコミュールは戦闘の様子を見せれば子供が恐怖してしまうと考えているため、子供には気づかれないよう、嘘をつく。壁のスクリーンには、地上での景色、夜の星空の下を走っている風景の映像を映している。 M「少々道が荒れています。しっかりと掴まっていてください」 子供「うん、わかったよ」 様々な装備を換装しながら戦うダイキュリーとギムレット。 最後の一体は、惑星と見紛うほどの巨大な宇宙生命体。襲ってくる無数の触手を掻い潜りながらダイキュリーとギムレットは本体へと突っ込んでいく。 そして、運悪く、触手の一本がモスコミュールへと届いてしまう。まるで吸盤を持つ蛸足のようにモスコミュール本体に張り付く触手。さらに襲来する触手の群れが、モスコミュール本体を絡み取る。その触手の力でモスコミュール本体が揺すぶられる。 子供「…ッ! どうしたのッ!? モスコミュール!?」 G「ダイキュリー、一旦距離をとり、モスコミュールを助ける」 D「わかった」 ダイキュリー、モスコミュールの元へと向かう。ギムレットもそれに続こうとするが、触手によって道を阻まれ、さらには無数の触覚によって捕らえられてしまう。 D「ギムレット」 ダイキュリー、ギムレットを助けるか、モスコミュールを助けるかで足を止めてしまう。 G「この程度、わたしはまだ大丈夫。ダイキュリー、早くモスコミュールを」 D「了解した」 ダイキュリー、手に持っている槍を構え、モスコミュールの元へと向かう。 モスコミュールに絡み付いている触手の束を、槍で叩き切る。 M「感謝します、ダイキュリー」 その頃、モスコミュール内部の居住スペースでは、壁のスクリーンが故障し、映していた地上の風景が乱れ、その後完全に途切れてしまう。 子供「え…? これって、一体…」 居住スペース内にある小窓が露出し、子供は外の景色を見てしまう。 そこにいたのは、暗闇を背景に、槍を構えている機械生命体、ダイキュリーである。さらにダイキュリー本体には、宇宙生命体を撃破した際に飛び散った体液や肉片などがこびり付いている。それを見て恐怖する子供。 子供「…そんな、あれって…ッ」 D「ギムレット…」 ダイキュリーがギムレットの元に戻ったとき、すでにギムレット本体は、巨大宇宙生命体の体内部に取り込まれるように、触手を巻きつけられていた。 G「彼はわたしに夢中らしい。皆、今のうちに行ってくれ」
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