近くて遠い体温

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大抵の場合アイツの方が熟睡してしてるから、起きるまでの間はぼんやりと過ごしてる。 恋人でもここまでべったりとくっついては寝ないと思うくらい。お互いに足を絡めて、抱き合いながら。 流石にこの季節はちょっと暑い気もするけど、アタシらは別にそれでも構わなかった。 「あー……クソ暑ィ……」 「よぅ、起きた?」 「あ゙ぁ?あー……起きたっぽいかも知んね……」 起き抜けの一言に暑い、と溢すアイツにちょっと苦笑いしながら。 やる事なす事適当なアイツは、物言いもすごく適当で。起きてるかどうかは流石に分かるだろとアタシは吹き出す。 「んぁ?何笑ってんだ?」 「べっつにー?」 寝惚けたまんま、ちょっと不機嫌そうなアイツに抱き付く力をちょっと強めると。舌打ちしながらも、背中に回されていた腕が頭の方に伸びてくる。 甘えるサインまで知ってるクセに、そうすれば甘やかして貰えるって分かってるクセに。 アタシ達は一歩を踏み出せないでいる。
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