§1 食券1週間分

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モッテリア バニラシェークをずずっと吸いながら、 相変わらずムッツリとした羽鳥の顔を見上げる。 メチャでかいコーラを一気飲みした彼は、 「事後承諾で悪いけど、  俺ら付き合ってることにしてくんない?」 とぼそりとつぶやいた。 「ヘ?」 「しばらくでいいよ。  好きになってとか言わないから。」 「ちょ、ちょっと待ってよ!  話、見えないんですけど!」 「ある人の前で  俺らが付き合ってるってフリをして欲しいいんだ。  俺が言うことに頷いていりゃあいいからさ。」 「ええ?できるかなあ?」 「食ったよな、俺の食券で俺の昼飯。  食ったからには、それなりの働きしろよな。」 「うっ。」 「本当に付き合わなくていいから。  今だけでいいんだから。」 「え~やだよそんなの。」 「ふ~ん嫌か?  嫌なら残りの食券と、  今日食った分と、そのシェイク代払えよ?」 意地悪そうに目を釣り上げ、迫ってくる羽鳥に押されて、 と、いうより、払うお金のないあたし。 黙って頷くしか選択肢はなかった。 「わかった。フリだけだからね。」 「よしよし。これは契約だからな。  ギブ&テイク いいよな。」 ギブ&テイクか、 しょうがない背に腹は変えられない。 あたしは羽鳥の条件を飲むことにした。 こいつ、Sだな…攻め決定!
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