19人が本棚に入れています
本棚に追加
モッテリア
バニラシェークをずずっと吸いながら、
相変わらずムッツリとした羽鳥の顔を見上げる。
メチャでかいコーラを一気飲みした彼は、
「事後承諾で悪いけど、
俺ら付き合ってることにしてくんない?」
とぼそりとつぶやいた。
「ヘ?」
「しばらくでいいよ。
好きになってとか言わないから。」
「ちょ、ちょっと待ってよ!
話、見えないんですけど!」
「ある人の前で
俺らが付き合ってるってフリをして欲しいいんだ。
俺が言うことに頷いていりゃあいいからさ。」
「ええ?できるかなあ?」
「食ったよな、俺の食券で俺の昼飯。
食ったからには、それなりの働きしろよな。」
「うっ。」
「本当に付き合わなくていいから。
今だけでいいんだから。」
「え~やだよそんなの。」
「ふ~ん嫌か?
嫌なら残りの食券と、
今日食った分と、そのシェイク代払えよ?」
意地悪そうに目を釣り上げ、迫ってくる羽鳥に押されて、
と、いうより、払うお金のないあたし。
黙って頷くしか選択肢はなかった。
「わかった。フリだけだからね。」
「よしよし。これは契約だからな。
ギブ&テイク いいよな。」
ギブ&テイクか、
しょうがない背に腹は変えられない。
あたしは羽鳥の条件を飲むことにした。
こいつ、Sだな…攻め決定!
最初のコメントを投稿しよう!